素材別の塗料選び|ステンレスへの塗装方法
ステンレスは「錆びにくく丈夫な金属」として知られ、
建築・設備・看板・厨房機器など幅広い用途で使われています。
しかし一方で、
塗装に関しては非常にクセの強い素材であり、
知識なしに塗ると短期間で剥がれてしまうケースも少なくありません。
この記事では、
ステンレスの特性から、塗料選び、正しい塗装手順までを
失敗しないためのポイントに絞って解説します。
ステンレスとは?塗装が難しい理由

ステンレス鋼は、鉄にクロムを主成分として加えた合金です。
表面には「不動態皮膜」と呼ばれる非常に安定した酸化被膜が形成されます。
ステンレスの特徴
- 非常に錆びにくい
- 表面が硬く、平滑
- 油分・汚れが残りやすい
この不動態皮膜こそが塗装トラブルの原因になります。
塗料が素材に食い込まず、密着しにくいためです。
ステンレス塗装で起こりやすいトラブル
- 数ヶ月~数年で塗膜が剥がれる
- 端部やビス周りから浮きが発生
- 爪や工具で簡単に傷が入る
これらの多くは、
下地処理不足または下塗り塗料の選定ミスが原因です。
ステンレスに適した塗料の選び方
最重要ポイント:下塗り(プライマー)
ステンレス塗装では、
「どの下塗りを使うか」で耐久性が決まると言っても過言ではありません。
推奨される下塗り塗料
- ステンレス対応の錆止め塗料(2液弱溶剤エポキシ系がおすすめ)
- ステンレス・非鉄金属対応の密着プライマー
※ 一般的な鉄部用錆止め塗料は不向きです。
上塗り塗料の選択
適切な下塗りを行えば、上塗りの選択肢は広がります。
使用されることが多い上塗り
- 弱溶剤ウレタン塗料
- 弱溶剤シリコン塗料
- フッ素塗料(高耐候・高意匠)

店長
用途・耐久年数・コストに応じて選定しましょう。
ステンレスの正しい塗装手順
① 洗浄・脱脂(必須)
- 油分・手垢・防錆油を完全除去
- シンナー拭きや専用脱脂剤を使用
② ケレン(目荒らし)
- ナイロンタワシ・不織布・細目ペーパー
- 表面に細かな傷を付け、密着性を向上させる
③ 下塗り
- 指定希釈率・塗布量を厳守
- 塗りムラ・塗り残しに注意
④ 上塗り(2回塗り)
- 均一な塗膜形成を意識
- 乾燥時間を守ることが重要
ステンレス塗装の注意点
- ❌ 下塗り省略は絶対NG
- ❌ 水性塗料の直接塗装
- ❌ ツヤ消しだから密着するという誤解
- ❌ 清掃不足のまま施工
「錆びにくい=塗りやすい」ではありません。
まとめ|ステンレス塗装を成功させるコツ
- 脱脂と目荒らしを徹底する
- ステンレス対応下塗りを必ず使用
- 弱溶剤塗料が基本
- 工程を省略しない
ステンレスは正しい知識と工程を守れば、
美観と耐久性を両立できる素材です。


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